クワガタを育てる。ペアリングし、産卵させ、幼虫・蛹を経て成虫へと至る。
無事に羽化した成虫。至福の時である。サイズが大きければ尚更である。
しかし、数多く飼育していると、哀しいかな中には羽化不全を起こす者もいる。
管理が悪かったのか、はたまた遺伝なのか…


これから紹介するのは2004年1月に我が家で羽化したダイオウヒラタクワガタである。
かなり“強烈”な羽化不全である。
興味のない人、心臓の弱い人、夢見の悪い人などはお引き取り願いたい。
それほどインパクトの強い画像である。


最終警告である。
見るのをよすなら今のうちです。






ダイオウヒラタクワガタである。

学名は“Dorcus bucephalus

インドネシアのジャワ島に生息し

大きさは♂で36mm〜91mmとされる。

大アゴが大きく湾曲しているのが特徴。

価格も手ごろで比較的入手しやすい。

繁殖も容易である。






これが我が家で羽化したダイオウヒラタクワガタである。

蛹室にいたのを掘り出したのだが、その時はまだ頭部に幼虫の頭部の皮を被っていた。

メスのようにも見えるが、紛れもなくオスの個体である。

もちろん“生きて”いる。






頭部である。

オスにもかかわらず大アゴが異様に小さい。

頭楯の倍ほどの長さしかないことが分かる。

そう、この大アゴは幼虫のままなのである!

よく見ると頭楯の形状も異常だ。

きちんと開閉は可能のようである。

挟む力はかなりものもである。






頭部の拡大写真。

見づらいかもしれないが、触角も幼虫のままである。

前脚も幼虫のもの。

何故か中脚だけが普通である。


エサをとるために必要な下唇・下唇枝もない。

このためエサを食することは不可能である。






腹部の状態。

羽化不全だけあって上翅は無惨に縮れている。

中脚はあるが、右附節は異常に小さく爪はない。

左中脚は附節すら見あたらない。

おまけに後脚は基節から欠損している。






腹部の状態。

上翅・後翅ともに見事な不全っぷり。

腹部もなんだか幼虫っぽい。

体はすっかり硬化しているのだか、

腹部はブニョブニョしている。

おおよそ地球上の生物とは思えない。






この個体は2003年の3月29日に割り出し、1100ccの菌糸ビンに投入、
その後2003年7月29日に1500ccの菌糸ビンに投入して2004年1月に羽化したものである。
羽化直前3ヶ月の飼育温度は20℃でほぼ一定であった。羽化不全の原因は不明である。
残念ではあるが、この個体はそう長くは生きないものと思われる。

クワガタを飼育している方々にこのような個体が出ないことを願わずにはいられない。






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